テーマ:北京2022冬季オリンピックを振り返る

2022年2月4日に開幕し、19日間に渡って開催された北京2022冬季オリンピック。2008年の夏季オリンピックに続いて夏季と冬季の両方のオリンピックを開始した世界初の都市であり、「雪氷上での喜びの出会い(Joyful Rendezvous upon Pure Ice and Snow)」というビジョンを掲げて、北京2008オリンピックが残した重要な遺産をもとに実施された。また、スピードスケート・ショートトラック混合リレー、スキージャンプ混合団体、フリースタイルスキーのビッグエア男女、エアリアル混合団体、スノーボードクロス混合団体、ボブスレー女子1人乗り(モノボブ)の7つの新種目が加わったことにより、最もジェンダーバランスのとれた冬季オリンピックとなった(女子選手45.44%)。

 一方、新型コロナウイルス感染症の影響は未だ大きく残っており、東京2020オリンピックのように延期とはならなかったが、チケットの一般販売は行われず、観客を限定しての受け入れとなった。また、選手・スタッフ、メディア関係者などについては、外部との接触が切り離されたオリンピックバブル内での活動となり、厳戒態勢下でのオリンピック開催となった。各競技では前回の平昌2018オリンピックの反省を踏まえた戦略を計画していたが、その多くは変更を余儀なくされたことは想像に難くない。しかしながら、日本代表選手団(Team JAPAN)は金3、銀6、銅9の計18個のメダルを獲得し、過去最多だった前回の平昌2018オリンピックの13個(金4銀5銅7)を5個上回った。

本フォーラムでは、スピードスケート、フィギュアスケート、アイスホッケー、リュージュの4つの冬季競技から情報提供を頂き、北京2022冬季オリンピックでの取り組みやその成果についてひも解くとともに、ミラノ・コルティナ2026オリンピックに向けて、競技の枠を超えた更なる冬季競技の飛躍について探りたい。

  • ファシリテーター
    若林勇太(わかばやしゆうた)
    【所属】(株)5G SPORTS TECH & LABORATORY・日本氷上スポーツ学会 理事

  • スピードスケート部門
    ~テーマ未定~
    青柳徹(あおやなぎとおる)
    【所属】日本体育大学スポーツマネジメント学部 教授、スケート部部長・(公財)日本スケート連盟 ナショナル強化コーチ(大学担当)・一般社団法人日本学生氷上競技連盟 副会長
    【略歴】小学校4年生からスピードスケートを始め、高校3年生で初出場した。
    全日本オールラウンド選手権大会で優勝した後、6連覇を果たす。
    日本体育大学在学時に出場した88年カルガリーオリンピック1500m 5位、(株)東芝に入社後1992年アルベールビル、1994年リレハンメルオリンピック出場、1998年長野オリンピック1500m 8位入賞を最後に現役引退し、筑波大学大学院にてコーチングを学び、在学中にJOC在外派遣研修コーチ留学のためにオランダへ渡る。
    帰国後、JOC専任コーチ、(財)日本スケート連盟強化副部長、医科学サポートスタッフなどを経て、2008年より現職。2018年平昌五輪および2022年北京五輪はテレビ解説者として現地で髙木美帆(日体大職)に携わる。

  • ソリ競技部門
    ~15か年強化計画と各年代に合わせたプログラムの策定~
    住澤祐樹(すみざわゆうき)
    【所属】(株)IDDWRKS 取締役・(公社)日本ボブスレー・リュージュ・スケルトン連盟 強化部リュージュグループ グループリーダー
    【略歴】12歳でリュージュと出会い、競技生活をスタート。
    17歳からオリンピック代表候補選手として、全日本チームに選抜され、以降13年間ワールドカップ、世界選手権を転戦し、全日本選手権2位、アジア選手権2位、世界選手権18位などを収める。
    現在は、(公社)日本ボブスレー・リュージュ・スケルトン連盟の強化部リュージュグループグループリーダーを務めるとともに、長野県ボブスレー・リュージュ・スケルトン連盟リュージュ強化部長、スペシャルオリンピックス日本・長野スポーツプログラム副委員長および陸上競技主任コーチ、長野県SWANプロジェクト育成・選考部会員を務める。

  • アイスホッケー部門
    ~得点力向上へ向けた取組み~
    飯塚裕司(いいづかゆうじ)
    【所属】学校法人昭和大学・(公財)日本アイスホッケー連盟 女子日本代表監督
    【略歴】北海道釧路工業高等学校卒業後に王子製紙に入社。
    アイスホッケー選手として日本リーグでプレー。
    現役引退後に指導者に転身。2007年から2014年まで女子アイスホッケー日本代表監督を務め、2014ソチオリンピックに出場したが、予選リーグ敗退。
    2016年から2018年まで女子アイスホッケー日本代表コーチを務め、2018平昌オリンピックでは予選リーグ敗退であった。
    2018年から現在まで再び女子アイスホッケー日本代表監督を務め、2022北京オリンピックでは決勝トーナメント進出を果たした。

  • フィギュアスケート部門
    ~競技スケジュールに合わせたコンディショニング: 北京オリンピックにおけるフィギュアスケートの医科学サポート~
    竹内洋輔(たけうちようすけ)
    【所属】(公財)日本スケート連盟 フィギュアスケート強化部長・法政大学 非常勤講師・聖徳大学 非常勤講師
    【略歴】4歳からスケートを始める。
    男子シングルで、世界ジュニアフィギュアスケート選手権で銅メダルを獲得した後、全日本選手権で2回優勝。
    2002年にはソルトレークシティオリンピックに出場した。
    専門はコーチング学。
    現在、法政大学・聖徳大学で兼任講師を務める一方、日本スケート連盟のフィギュアスケート強化部長として、トップ選手の医科学サポートや後進の育成にあたっている。

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